地鎮祭ってやるべき?地鎮祭の目的、費用、流れについて解説

2024.03.27

家づくりを検討し始めると「地鎮祭」(じちんさい)という言葉を耳にすることがあると思います。名前は聞いたことがあっても、何をするのか、何のためなのか、「そもそも地鎮祭ってやらなきゃいけないの?」と思う人も多いのではないでしょうか。

しかし、家づくりを進めていくと、必ず施工会社から「地鎮祭やりますか?」と聞かれます。そのため、地鎮祭についてご家族で話し合い、意見をまとめておくことが大切です。

この記事では、地鎮祭を行う目的や費用、当日の流れについて解説します。ぜひ最後までお読みいただき、今後の参考にお役立てください。

 

地鎮祭とは?

地鎮祭の歴史は古く、今から約1330年前の西暦690年頃にはすでに行われていたと言われています。

地鎮祭を行う主な目的は、「神様に土地使用の許しをもらうため」と「工事中の安全を祈願するため」です。また、注文住宅は着工までに多くの過程をクリアしなければなりません。そのため、着工を無事に迎えられたことへの「祝い」や「門出」、また住む人の繁栄祈願を兼ねて地鎮祭を行う方もいます。

地鎮祭当日は、氏神様を祀っている神社の神主さん、施主、建築会社、工事関係者が参列します。一般的には工事をする土地で行いますが、天候不良や何らかの理由がある場合は神社で行うこともあります。ただし、地鎮祭は必ず行わなければいけない訳ではありません。近年は、人々の意識変化や宗教的な理由から地鎮祭を行わないケースも増えてきています。

 

地鎮祭ってやらなきゃだめ?

先ほどもお伝えしたように、近年は地鎮祭を行わないケースも増えています。地鎮祭を行わない具体的な理由としては、次のようなことが考えられます。

  • 工期のタイミングと神社のスケジュールが合わない
  • 予算的な問題
  • 施主の意向(宗教的な考え方や違いなど)
  •  建築予定地が遠方である

地鎮祭実施の有無については、それぞれの考え方や価値観が影響します。しかし、家づくりは施主だけではなく、親や親戚、ご近所や地域など多くの人が関わります。そのため、地鎮祭を行わないことを「強く反対される」場合や、「地鎮祭が習わし」となっている地域では地鎮祭を行うほうが無難でしょう。

地鎮祭を行うことのデメリットは少ないですが、施主やご家族の気持ちを尊重し、後悔しない選択をすることが大切です。

地鎮祭にかかる費用

つぎに、地鎮祭にかかる費用について見ていきます。地鎮祭の費用総額は、8万円〜15万円前後となるでしょう。ただし、初穂料の金額やお供え物の内容は地域によって大きく異なります。そのため、事前に鹿児島県の地域相場を確認しておくと安心です。以下では、地鎮祭費用の内訳をご紹介します。

 初穂料(玉串料)

 初穂料(玉串料と呼ばれることもあります)は、神主への支払う謝礼金です。3万〜5万円が相場となっていますが、鹿児島県では3万円前後が一般的のようです。また、初穂料は祝儀用の熨斗袋に入れて渡しましょう。水引が紅白で蝶々結びのものがおすすめです。熨斗の表面には「御初穂料」と「氏名」を忘れずに記入してください。

 お供え物

  お供え物にかかる費用は1万円程で、野菜や果物など多くはスーパーで購入可能です。ただし、「奉献酒」は取り扱っているスーパーが少ないため、酒屋さんで購入する必要があります。酒屋さんで「地鎮祭用です」と伝えるとスムーズでしょう。なお、施工会社が用意してくれる場合や、建築費用に地鎮祭費用が含まれている場合があります。あらかじめ担当者に確認しておきましょう。

 挨拶用の粗品

 建築工事中は、騒音や車の出入りで近所の方にご迷惑をかけることが予想されます。そのため、地鎮祭後にご近所の方にご挨拶をしておくと良いでしょう。手土産の相場は、1000円〜2000円前後でタオルやお菓子がおすすめです。

 また、工事に着工する前に住宅会社の方であいさつまわりをし、施主は引越時にあいさつまわりをするケースもあります。住宅会社と連携を取りながら、どのような段取りをすべきか相談してみましょう。

 

地鎮祭の準備リスト

地鎮祭が決まったら、当日までに準備するものをチェックしましょう。一般的にお供え物は施主が用意します。多くはスーパーで購入できますが、米は洗米して乾かすなど事前準備が必要です。また、地域や時期によっては手に入りにくいお供え物もあるため、以下の一覧を参考にチェックしてみてください。

 

地鎮祭は神事であるため、祭壇の準備や設営は神社が行います。しかし中には、地鎮祭に必要な道具や資材を施主がレンタルしなければならないケースもあります。

事前に「自分たちが準備するもの」と「業者側が準備してくれるもの」を把握しておくと、滞りなく進めることができます。

地鎮祭当日の流れと服装について

地鎮祭当日の流れやマナーを知っておけば、安心して地鎮祭に参列できます。まずは、地鎮祭当日の流れについて紹介します。

【地鎮祭当日の流れ】

1.開式の辞:祭壇に向かって右側に施主、一般参列者、左側が施工会社、関係者が着席する

2.修祓の儀(しゅばつのぎ):お供え物と参列者をお祓いして清める

3.降神の儀(こうしんのぎ):祭壇に神様をお招きする

4.献饌(けんせん):神様にお供え物を奉納する

5.祝詞奏上(のりとそうじょう):工事の安全祈願し、家の繁栄を祈る祝詞を読む

6.四方祓(しほうはらい):土地をお祓いする

7.鍬入れの儀(くわいれのぎ):【施主参加】敷地の安定を願い、鍬入れをする

8.玉串奉奠(たまぐしほうてん):玉串を神様に捧げる

9.撤饌の儀(てっせんのぎ):お供え物を下げる

10.昇神の儀(しょうじんのぎ):神様のお見送りをする

11.閉式の辞:地鎮祭閉会の挨拶

12.直会の儀(なおらいのぎ):お供え物の神酒を全員で飲む

 

 以上が地鎮祭当日の流れになります。開式の辞から直会の儀までに要する時間は、30分前後です。そこから、設営を撤去したり、挨拶回りをしたりする時間を含めると地鎮祭は1時間〜2時間程度で終了します。

   なお、「11.閉式の辞」では、施主が挨拶を行う場合があります。つぎに紹介する挨拶文を参考に、簡単な挨拶文を準備しておくと安心です。

 【挨拶文一例】

 「本日はご多忙の中、私共の地鎮祭にご参列いただきありがとうございます。これから    ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、何卒ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。」

地鎮祭当日の服装

つぎに、地鎮祭当日の服装についてですが、地鎮祭は古くから伝わる神事であることからフォーマルな服装が望ましいでしょう。ただし、個人宅の地鎮祭であれば多少カジュアルな服装でも問題ありません。迷ったときは、大人はスーツ、学生であれば制服で参列すれば間違いありません。

まとめ

今回は地鎮祭ってやるべき?について解説しました。記事のまとめは以下のとおりです。

  • 地鎮祭は「神様への挨拶」「工事の安全祈願」「繁栄祈願」のために行う儀式
  •   近年は、意識変化、宗教上の問題、費用がかかることなどを理由に行わない人も増えている
  • 地鎮祭の費用総額は8万円~15万円前後
  •  一般的にお供え物は施主(自分たち)が準備する
  •  地鎮祭に要する時間は1時間~2時間
  • 服装に迷ったら大人はスーツ、子供(学生)は制服がベスト

地鎮祭は、新たな生活がはじまることへの「門出」や「祝福」の意味も込められた儀式です。また、地鎮祭をきっかけに、近所の方へ挨拶をする良い機会にもなるでしょう。

費用がかかることや、事前準備が必要なことは懸念点かもしれませんが、人生で何度も経験できることではないため家族の思い出づくりにも最適です。この機会にぜひ検討してみてくださいね。

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