鹿児島県の市町村別子育て支援情報まとめ
2021.10.22
2021.10.22

居住地を選ぶ時、子育て支援の充実に重点を置く人も多いのではないでしょうか。「今は2人だけれど、将来的には子どもを生みたい」や「充実したサポートを受けながら、安心できる環境で子育てをしたい」と考える人も少なくありません。
出生率が高く子育て支援も充実している鹿児島県では、市町村が独自の子育て制度や支援をそれぞれ行っています。また、「地域全体で子どもを育てる」という地方ならではの考え方が深く根付いる所も、子育て支援の促進を後押ししているでしょう。
子どもだけではなく親への支援も充実しており、育児に関する相談窓口や親同士の交流の場をつくることにも力を入れています。子どもと親、両方のことを考えた支援が魅力の鹿児島県ですが、その中でもとくに注目したい5つの市町村をまとめました。
目次
▽全国的にも出生率の高い鹿児島県
▽鹿児島県最大の人口を誇る鹿児島市
▽子どもを生み育てやすい町づくりを目指す鹿屋市
▽過去に出生率全国1位を記録した伊仙町
▽町民同士が協力して子育てを行う徳之島町
▽小さな村だからこそできる子育て支援が魅力の大和村
〇全国的にも出生率の高い鹿児島県

鹿児島県は全国的にも出生率の高い県の1つになります。厚生労働省の平成27年国勢調査をもとに作成された「市町村別合計特殊出生率」では、鹿児島県の8つの市町村が30位以内に入っています。
とくに2位の鹿児島県伊仙町は、以前は出生率1位を誇る町として注目されたこともある土地です。その高い出生率の秘密を探るべく、県外から視察に訪れる自治体や財団もいます。
少子化が進む日本において出生率を維持し続ける鹿児島県の市町村は、子どもを生み育てやすい環境づくりができているといえるでしょう。
参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/other/hoken19/dl/gaikyou.pdf
〇鹿児島県最大の人口を誇る鹿児島市

鹿児島県内でも最大の人口を誇り、都市化が進む地域になります。交通機関や医療も整えられ、居住するには最適の場所といえるでしょう。市内には5つの子育て支援施設や3つの児童センターがあり、親同士も交流しながら子どもを育てられる環境です。
また、悩み相談や施設検索、交流などを1つのサイトにまとめた「夢すくすくねっと」は、場所や時間を気にせず忙しい子育ての合間に利用できます。
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夢すくすくねっと |
鹿児島市が運営する子育て応援サイト。食育や子育てに関する悩み、親同士の交流を目的としている。 |
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未来を守るミルク支援事業 |
市町村民税の課税がされていない世帯や無職無収入の世帯が対象。申請書を提出すると、1ヶ月に1缶300g×2相当を支給。 |
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こんにちは赤ちゃん事業 |
生後4ヶ月までの乳児がいる全ての家を指導員が訪問。育児に関する悩みや相談を聞き、情報提供を行う。 |
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産後ケア事業 |
県内にある4つの助産院と連携。産後の母親を対象とした心と体のケアが中心。子育てに関する相談にも対応可。宿泊型・訪問型・日帰り型がある。 |
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ぷれママ・ママのほっとスペース |
妊娠中・出産後の母親が対象。子育てについての個別相談や母親同士の交流の場としても利用可能。 |
〇子どもを生み育てやすい町づくりを目指す鹿屋市

鹿屋市では、「鹿屋市まち・ひと・しごと創生総合戦略」という独自の目標を掲げ、さまざまな取り組みを行っています。子育て支援にも力を入れており、子どもを安心して生み育てられる環境づくりや子育て世帯の経済的負担を軽減するための事業が魅力です。
おむつの助成券など目に見える支援は、経済的だけでなく精神的負担の軽減にも繋がるでしょう。
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鹿屋市パパ・ママ・子どもの便利帳 |
鹿屋市の妊娠・出産・育児情報をまとめた1冊。医療機関や託児所も掲載されており、もしもの時も慌てず対応可能。紙の冊子とアプリの2種類から選べる。 |
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乳幼児チャイルドシート無料貸出し |
鹿屋市内在住の普通自動車運転免許を取得している人限定。対象は、1歳未満または出産を約1ヶ月後に控えている方。帰省の場合は4歳以下まで貸出し可能。※その他にも条件あり。詳細は、鹿屋市のホームページをご覧ください。 |
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赤ちゃんの駅 |
授乳やオムツ交換の際に、利用できる場所として登録された施設。野外イベント用に「移動式の赤ちゃんの駅」も貸出しを行っている。 |
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かわいい孫への贈り物事業 |
子育て世帯の経済的負担の軽減を目的とし、乳幼児のおむつ購入にかかる費用を助成する券。対象は満1歳に満たない乳幼児。助成券は紙や布おむつ、おむつカバーの購入が可能。 |
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鹿屋市子育て交流プラザ |
鹿屋市に住む子育て世代の交流や悩み相談、子育てに関する情報発信、講習会を実施。新生児から小学校3年生までが利用可能。 |
〇過去に出生率全国1位を記録した伊仙町

伊仙町は厚生労働省による国勢調査にて、出生率1位になったこともある町です。伊仙町が属する奄美群島の徳之島は、別名「子宝の島」と呼ばれています。昔から「子は宝」と言われ、生まれた子どもは町全体で見守り大事に育てられてきました。自治体の支援は勿論、町の温かい雰囲気も伊仙町が子育てしやすい町と言われる理由の1つです。
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伊仙町子育て支援金 |
出産後にお祝い金の支給を行っている。支給額は第一子が5万円、第二子が10万円、第三子が15万円。支給の8割が現金、2割が伊仙町商工会から発行されている商品券となる。 |
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乳幼児等医療費助成 |
0~6歳児の毎月の医療費から、3,000円を控除した金額を助成金として支給。非課税世帯の場合は、保険診療内の全額を助成金とする。 |
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ハイリスク妊産婦旅費助成 |
妊産婦や新生児が、島以外の医療機関を利用しなければならない場合、旅費の一部を助成する。 |
〇町民同士が協力して子育てを行う徳之島町
徳之島内にある3町の中でも、島外からの移住者が最も多い徳之島町。そのため、子育て支援だけでなく家族支援事業にも力を入れています。未熟児・障害児への支援が同島の伊仙町や天城町よりも充実している所も特徴です。

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未熟児養育医療給付 |
出生体重が2,000g以下、またはサポートを受けなければ命の危険がある未熟児に対して、適切な医療の給付を行う。 |
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療育旅費助成 |
障害者手帳を所持、または島内での治療が難しい児童に対する支援制度。島外の医療機関を受診する際にかかる宿泊費・旅費を助成。利用できる回数は年に2回まで。 |
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【わきゃ島ぬ宝】子育て応援 |
徳之島町社会福祉協議会が仲介となり、町民同士で育児や家事のサポートを行う。(簡易的かつ短期的なサポートのみ)支援を受けるためには、ファミリーサポートセンターへの会員登録が必要。 |
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出産奨励品 |
今年度誕生した乳児に対して、ミルクや紙おむつ等の引換券を支給。 |
〇小さな村だからこそできる子育て支援が魅力の大和村
大和村は、人口1,500人ほどの小さな村です。そのため、人同士の繋がりも深く子育てのしやすい環境といえるでしょう。自治体も高齢者福祉や子育て支援事業に、積極的に取り組んでいます。とくに子育て支援は経済的支援も充実しており、出産祝い金の支給や医療費などの無料化が受けられる環境です。

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へき地保育所 |
2~5歳児を対象とした保育所。保育料が無料となっており、おやつ代1,500円を支払う。給食がないため、お弁当が必要。 |
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出産祝い金制度 |
出生から1ヶ月以内に申請すると、第一子は20万円、第二子は30万円、第三子は50万円が受け取れる。 |
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保育費・医療費・バス通学費の無料化 |
医療費・バス通学費の無料化の対象は、高校生までとなっている。 |
〇まとめ
・鹿児島県は、全国的に見ても出生率の高い県
・鹿児島市は、育児情報をまとめた独自のサイトやミルク支援事業が特徴
・鹿屋市は、子育て世帯の経済的負担を減らす支援が多い
・伊仙町は、自治体と地域が一丸となり子育てのサポートを行う体制が整っている
・徳之島町は、子育て支援だけでなく家族支援にも特化した町
・大和村は、人口の多い地域では実現しにくい医療費や保育費の無料化が魅力
参考URL: http://kagoshima-yumesukusuku.net/
https://www.city.kagoshima.lg.jp/kosodate/boshihoken/kosodate/ninshin/boshieyo.html
https://www.city.kagoshima.lg.jp/kosodate/boshihoken/kosodate/ninshin/kodomo/konnichiha.html
http://www.city.kagoshima.lg.jp/kosodate/boshihoken/kosodate/ninshin/ninshin/umaretara/sango.html
http://www.city.kagoshima.lg.jp/kosodate/boshihoken/kosodate/kosodate/sodan/hotspace.html
https://www.city.kanoya.lg.jp/kokanri/shise/gaiyo/soshiki/kosodateshien.html
https://www.town.isen.kagoshima.jp/documents/313/news1543474227_1.pdf
https://core.ac.uk/download/pdf/235935518.pdf
http://www.tokunoshima-shakyo.com/pdf/shakyo_saron/katudounotebiki.pdf
https://www.kagoshima-iju.jp/koryu/wp-content/uploads/2021/03/38_tokunoshima.pdf
https://content.zaim.net/benefits/show/26326
https://www.vill.yamato.lg.jp/kikaku/sonse/yamatoson/muranogaiyo.html
参考画像