鹿児島の夏を涼しく過ごすための庭づくり
2021.09.04
2021.09.04

島国である日本は土地が縦に長い形をしているため、北と南では大きな気温差があります。そのなかでも南西部に位置する鹿児島は、温暖な気候が特徴の県といえるでしょう。温暖で過ごしやすい環境のため、サッカーや野球などのキャンプ地としても利用されることが多いです。
1年を通して温暖ですが、夏場の気温は他県と比べても群を抜いています。強い日差しは勿論、温められた地面からの熱も原因となり体感温度はさらに高く感じるでしょう。暑さだけを見ると、お世辞にも「とても過ごしやすい環境」とはいえません。しかし、この環境を過ごしやすくする方法の1つが庭づくりです。
今回は、暑さと庭づくりの関係性やおすすめの植物をまとめました。
目次
▽南国鹿児島の夏は暑い
▽暑さ対策と庭づくりの関係性
▽庭づくりにおすすめの植物

1年を通して比較的温暖な気候が続く鹿児島。とくに夏になると気温の上昇が目立ちます。夏場の平均気温は28.3℃。しかし、最高気温である32℃前後の日がほとんどです。日差しも強く、厳しい暑さになります。
また、厳しい暑さは日中だけではありません。7月中旬から8月下旬は、夜も気温が下がりにくく熱帯夜が続きます。その影響もあり毎年この時期になると、熱中症が原因で病院へ搬送される人も多いです。
鹿児島は地形的に、南北に広がる形となっています。そのため気候も、温帯・亜熱帯・冷温帯と3つに分かれている所が特徴です。それぞれの気候帯によって多少の気温差はありますが、全体的に見ても他県と比べて気温が高いといえるでしょう。

鹿児島の夏場の気温には注意が必要です。真夏日と呼ばれる30℃以上の日が続き、昼夜問わずクーラーや扇風機が手放せません。しかし、クーラーの風が苦手な人もいるでしょう。体を冷やしすぎて体調を崩す恐れもあります。
そういった人におすすめしたい方法の1つが庭づくりです。最近では雑草などの手入れが大変という理由から、地面をコンクリートで覆ってしまう人もいます。確かにコンクリートにすると雑草も生えず、見た目もきれいです。しかし夏場は、太陽に照らされ熱をもちます。温められた地面から放たれる赤外放射もあるため、体感温度はさらに上がるでしょう。実際の気温より10℃も上がると言われています。
反対に植物が植えられた地面はコンクリートの地面よりも、10℃低くなることが確認されました。これは植物の「蒸散作用」が関係しています。植物が水分量を調節するために、葉の裏側から水蒸気を放出する仕組みです。蒸散作用は気温が高いほど、水蒸気の放出量が増加します。その結果、地面の温度も上昇しにくい状態を保つことが可能です。
また、植物を利用し木陰をつくると、7℃も体感温度が低くなるということもわかっています。暑い鹿児島の夏を快適に過ごすために、庭づくりに力を入れてみてください。人工的につくられた風ではないので体に優しい所が最大のメリットです。

植物によって体感温度を下げることが可能だとわかりました。では、どのような植物が最適でしょうか。一括りに植物と言っても、さまざまな種類があります。環境によって育ちにくい植物もあるでしょう。今回は、暑さに強く鹿児島の環境に最適な植物をまとめました。
ハーブの種類として有名なタイムの中でも、クリーピングタイムは背丈が低く地面を這うように広がります。そのため、コンクリートで地面を覆うより見た目も美しく、体感温度を下げることが可能です。ハーブ特有の爽やかな香りも楽しめます。
青色の小さな花を沢山咲かせるプラティアは、春~秋に咲くため長い期間楽しめる所が特徴です。星型の花はとても愛らしく目を惹きます。横に広がり大きくなる種類ではないため、植える場合はポイントとして使いましょう。
多肉植物であるセダムは、暑さと乾燥に強いため鹿児島でも育てやすい植物です。種類によって葉の形や色も違い、さまざまな組み合わせを楽しめます。また、植える際に大量の土を必要としない点から、寄せ植えに使われることも多い種類です。
低木に部類され手入れのしやすさも魅力です。夏場は黄緑色の葉が茂り、秋になると真っ赤に紅葉します。生育が比較的早いため、日本では生垣の木として使われることも多い種類です。剪定を行わなくても美しい姿を保つことができます。
春には白い花を咲かせ、夏になると真っ赤な実をつけます。秋には葉も赤く色づくため、長い期間楽しめるでしょう。実は収穫して食べることも可能です。害虫被害を受けることも少なく、剪定も簡単に行えます。高木に部類されますが、生育は遅めです。
・暑さは気温や日差しだけでなく、体感温度も関係してくる
・コンクリートの地面の体感温度は、気温プラス10℃もある
・植物を植えることによって、体感温度を7~10℃下げることができる
・植える植物は、暑さに強いセダムや手入れのしやすいニシキギがおすすめ
参考URL
https://www.tabirai.net/sightseeing/kagoshima/info/about/weather.aspx
https://gardenstory.jp/gardening/43616#i-2
https://gardenstory.jp/plants/29114
参考画像